世界恐慌を案じるより国内政治の崩壊が怖い

米大手格付け会社S&Pがユーロ圏9カ国の国債の格付けを引き下げた。

この結果同国債を保有する金融機関は資産の再評価、すなわち自己資本の減少を余儀なくされる。と、ここまでは欧州危機による経済的影響の想定内の出来事である。

しかし、この「危機」ははたして欧州だけに留まるのであろうか?

今やアジアの消費なくして世界経済は立ち行かなくなるまでにその存在が大きくなったアジアの経済であるが、その中心を担っている中国の景気は今後どうなっていくのでしょうか?

中国は北京五輪、上海万博と続いたイベントの効果とそれに伴う消費先食い効果で2010年までは記録的な経済成長を見せた。2011年も財政出動でその反動を吸収したようであるが、ここにきて流石に自動車販売台数の伸びが頭打ちとなり、かの高速鉄道事故以来、鉄道網整備のスピードも落ちたままのようである。

2012年度の中国経済−GDPの成長率は5%前後に減少する可能性があるのではないか。そうするとアメリカのリーマンショックから始まった経済クラッシュは欧州を経由してアジアに到達し世界を一周、2012年度後半から世界恐慌の様相を呈する・・・といったシナリオは非現実的であろうか?

2011年は天災人災さまざまなことが起きた年であるがやはり人類のパラダイムシフトが起きる転換点ではなかったか。ややもすると人類は過去の災難は時間の経過とともに急速にその記憶を忘れ去ってしまうが、いやむしろ嫌なことを忘れ去る機能を備えているようであるが、最近の経済の専門家諸氏はあまりにも現在の世界経済の見通しに楽観的ではあるまいか。或いは意図的に悲観的な意見を封じ込めているのか、それならばまだしもであるが。いづれにしても経営者は中国経済の成長が鈍化することを前提としたシナリオは描いておくべきである。

 

一方、日本の政治に目を向けると、時の我が国内閣総理大臣は欧州危機や自国の大震災、景気停滞など全く意に介す気配すら見せずに、毎日毎日ひたすら念仏のように「消費税増税」を唱えている姿に、もはや哀れさを感じずにはいられない。

野田総理は消費税増税に政治生命を掛けるらしいが、増税実施に政治生命を掛ける政治家に我々国民はどう反応すればいいのでしょうか?一体彼は消費税を増やして何をするつもりなのでしょうか。消費税を5%引き上げてもたかだか10兆円です。一般会計の収入は40兆円強、同予算は90兆円強、このアンバランスを10兆円埋めたところで何になるというのでしょうか?しかも増税分は社会保障に充当するという。一体どうやって財政赤字を改善させるのですか。日本の社会保障費は約100兆円です。年間6兆円弱増えています。税と社会保障の一体改革?100兆円の見直しと膨張する6兆円の抑制策を語らずして何が改革か! 政治生命を掛けるというなら来年度の一般会計予算を一律半減するくらいのことを言ってもらいたいものです。

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