多くの中堅・中小企業では会社経営は経営者に全ての判断が委ねられています。言いかえると経営者の一存で会社の経営がなされています。
経営戦略にしても資金繰りにしても内部管理についても、経営全てにおいて経営者が会社の舵取りを行います。
そのメリットは意思決定が迅速で経営の方向性が明確なことです。それは中堅・中小企業の経営の特徴であり、経営者の強力なリーダーシップは中堅・中小企業経営に必要不可欠なものです。
しかしこれらはあらゆる面で正に『どんぶり勘定』経営と言えるのではないでしょうか。どんぶり勘定とは色々な売上や会社のおカネと個人のおカネなどが一緒になって区別されずに未管理な状態を指しますが、おカネの面のみならず総務・人事・労務と経営全般にわたり区別や区切り仕切りのない状態も含め中堅・中小企業の経営は経営全般に亘りどんぶり勘定と言えます。
どんぶり勘定経営は経営が順調に推移している時には問題ありません。しかし、経済状況の変化・競争相手の出現・会社の規模拡大など経営環境が変わっていくと、さすがのオーナー経営者も経営のかじ取りに迷いが生じたり、あるいは一人では会社全体が把握しきれなくなったりします。そうなると『どんぶり勘定』の経営では事業運営に限界が来ます。
情報産業の発展により社会全体のスピードが速くなっています。会社の経営もスピードが第一です。いち早くどんぶり勘定経営を脱し区切りと仕切りのあるスマートな経営戦略を打ち出していくことが中堅・中小企業にも求められているのではないでしょうか。